2008年01月14日
今年の長い影

正月は暇である。
あまりに暇だったので、母の夕食の買い出しに付き合う事にした。
むかし通った小学校の西側の真っ直ぐな道路の手前で、ふと見ると長い影。
そういえば、一年前にもこんな写真を撮ったな。
などと思いながらカメラを構える。
「影が僕を撮ろうとしている」
あの時は確かそんなことを考えて笑ったんだっけ。
あれから一年、あっという間だった。
僕は何も変わらず、いや、変わらないことは良いことなのかもしれないけれど、変われない事への苛立ちの方が大きい気がする。
「せーの。」
(パシャ)
「せーの」でシャッターを切ると先に行ってしまった母を走って追いかけ、自慢げに撮りたての写真を自慢する。
「あら凄い。長い影ねぇ~。」
母が素っ気なく返す。
たとえ変われなくとも、こんな他愛もない会話が変わらなく続くとしたならば、それはとても幸せな事なんじゃないだろうか。
僕はふと、そんな風に思った。
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2008年01月12日
言わなきゃいけないこと。

言葉が出ない。
なんだか最近、言葉が出てこない。
以前はもっと、主張したいこととか言いたいことがあった気がするのだけれども、近頃はそういった類の、ある意味どうしようもない蟠りへの止めどない反芻に飽きてしまったかもしれない。
言ったところでどうにもならないとか、これはあれだからつまりはそういうことだ。と、結果まで見えてしまうような、見えてしまった気になっているような、そんな場面に良く遭遇してしまう。
だからもっと、何かをもっと、言わなきゃいけない。
何を言いたいわけでもないけれど、言い続けていなきゃいけない気がしている。
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2008年01月08日
ふじさんとてっとうさん

夕日が綺麗だったので父の車を借り、関越高速の上に架かる陸橋へと向かった。
その陸橋は昔っから人通りの少ない寂れた陸橋だったのだが、近くに新しく大きな陸橋が出来たせいで余計に寂れている。
陸橋のてっぺんに堂々と車を止め夕日に映える鉄塔に向かってカメラを構えると、それまで気付かなかったのだがファインダーの中に富士山のシルエットがひょっこり顔を出していた。
鉄塔のバックに富士山。しかも正月の新春富士山。
なんだか恐れ多い気持ちになった僕は、右へ左へと走ってみるのだが、どうにも富士山が鉄塔の足下から離れようとしないので、いよいよ諦めてシャッターを切り、その場を後にした。
家に帰り、既に酔っぱらい爺の父に写真を見せてみると、開口一番、
「鉄塔は消せるんだろ?」
である。
僕は「流石にそれは難しいなぁ」などと言いながらも、鉄塔のない富士山はどんな感じなのだろうかとしばらく脳内レタッチに勤しんでみることにした。
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