
床に置いてあったカメラのストラップを握り、勢いよく持ち上げたところ、その反動でカメラが勢いよく僕の脛へと突っ込んできた。
ゴン。
低く、鈍い音がした。
痛い。そりゃ痛い。弁慶も泣くくらいなんだから相当なモノだ。
「マグネシウム合金ボディ」
ふと、そんな言葉が頭を過ぎった。
このカメラを買うときに見たカタログ…確か表紙は木村拓哉だった…そこには確かそう書かれていて、とても堅牢だということを訴えていた気がする。
確かに堅い。堅すぎるよ。
そもそも男の子は元来合金好きなものである。僕も幼い頃は超合金に胸をときめかせたものだ。
だから、マグネシウム合金ボディなんて銘打たれたら、テンションも自ずと上がってくるわけだが、なんというか、こういう形でマグネシウム合金の堅さを味わうことになるとは思いもしなかった。
次に襲ってくるのは怒り。行き場のない怒り。
いつもより丁寧にカメラを床へ下ろすと、僕はその姿勢のまま、心を落ち着かせるべく目を閉じる。
・・・瞼の向こうに木村拓哉が見える。
確かこのカメラのCMだ。薄暗いバーで初老のバーテンダーと二人きり。手にはこのカメラ。
あのとき、確か僕はこのCMを見ながら苦笑いしたはずだった。洒落たバーでカメラを持ち、スゲーとか言ってカメラを愛でる様は異様に見え、何より自分にはありえないシチュエーションが妙に僕を冷静にさせた。
これなら超合金が六神合体した方がずっとトキメクなぁ。・・・などと思った記憶が甦る。
六神合体ゴッドマーズ、好きでした。
あぁ、何の話だったか。
そうか、カメラか。カメラが脛に激突した話だった。
右のズボンの裾を上げると、毛深いすね毛の向こうにはっきりと青痣が見える。
痛い、とにかく痛い。
この怒りをどこにぶつければいいのか。カメラでも木村拓哉でも超合金でも六神合体ゴッドマーズでもない。
言わずもがな、この僕に他ならない。

THE BACK HORN、GRAPEVINEを聞いていたと言うだけあって、そのテイストが感じられる曲調。3ピースでも音にしっかりとした厚みがあって、バランスが良いと思った。
その名の通り、切なくて冷たい雨が降る。TK(男性Vo)のハイトーンは好みが分かれるところだが、345(女性Vo)とのツインボーカルが生み出す緊迫感はとても狂おしく、破滅的で情緒に溢れている。
でもね、曲はめっちゃカッコイイス。そういう細かいところを気にするアホウは僕くらいなもんで、良いアルバムに仕上がってますよ。
いやはや、凄いの見てもーた。基本はスクリーモなんですが、エモが来たと思ったらいきなりエレクトロニカなん?4つ打ちなん?っていう最高の一品です。
1曲目の「insurance?」からいきなり「It's Only Natural」と似たテイストのノリノリナンバーで、一気に持ってかれてしまいました。全体的に気持ちよく聴けるアルバムに仕上がっています。
埼玉産インディーズバンドLooking For。同郷なら応援しないわけにはいかない。とにかくメロディック・メロディックなのであります。まさしく僕好み。ありがとうございます。
初めて聴いた感想はズバリ「つまらん」。
で、封印しようかと思いつつ、他に聴くものもないし・・・などとループ再生していたところ・・・4,5回目くらいから良くなってきました。
僕のファーストインプレッションは、
「んー、フライングキッズ?いや、オリジナルラヴ?」
でした。
前作 rapture が割とアップテンポで勢いのある印象だったので、アップテンポ好きな僕には少し物足りないというか、お子ちゃまな僕の好きな路線とはちょっと違うかなぁという感想。
女性Vo.なんですが、彼女の声と曲の世界観が絶妙です。彼女の声を聴いていると、切なくなるような、苦しくなるような、かと思えば一気に解放されるような、フワフワ浮かんでいるような。
クラムボンが好きな人とかすんなり聴けるんじゃないかと思います。
正統派J-popとでもいうべき非常に聴きやすい作品。メロディーも心地よく耳に残る感じ。無意識のうちに結構気に入っていたらしく、このまえ気付いたら4曲目のサビをひたすら口ずさんでました。
コメントする